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(サイレント)アニメーションと映画における「ベッドギャグ」についてしみじみと思ったこと。


ベッドギャグという正式なギャグ名はありません。僕が勝手につけました。

さてはて、このベッドギャグどういったギャグなのかといいますと、その名の通りベッドを主戦場とした何かしらの攻防を指します。

例えば、「Mutt and Jeff(マットとジェフ)」というコミックストリップ原作のアニメーションの中の「When Hell Freezes Over」(1926)では、冬の寒い夜に、ペアのどちらかが目を覚まし、相棒が独占している一枚の毛布(シーツ)を取り返してぐっすりと夢の中へ、と思ったら、今度は反対にシーツを取られた片割れが、シーツを取り返し...といった具合のギャグであります。


ぐっすり眠る、マット。寒さのあまり目を覚ましたジェフがマットのシーツを奪い取る。

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※マット(左)ジェフ(右)
※When Hell Freezes Overとはその名の如く「地獄が凍える、凍り付く」→「灼熱の地獄が凍り付くはずがない」→「絶対にありえないこと」というイディオムです。そんな訳で、あえて邦題をつけるのであれば「亀毛兎角 」といったところでしょうか?
ただしかし、アニメーションのストーリとしては「マットとジェフの地獄旅行」あたりが妥当かな?なんて思ったりします。

ここでは省きますが、この後、ジェフがマットからシーツを奪われて、さらにまた奪われて....を繰り返していくうちにドタバタ喜劇、そしてタイトルが表しているように「When Hell Freezes Over」な事に巻き込まれていきます。

画像で伝わりにくい場合は、動画をご覧ください。



※補足
フライシャースタジオのBetty Boop作品「Red Hot Mamma」(1934)も似たようなストーリですね。もしかして「Red Hot Mamma」は「When Hell Freezes Over」の影響を受けているのでしょか?



※カラー及びトーキーの時代ととなると、テリートゥーン、「Gandy Goose」(ガンディ・グーズ)シリーズの一作品にも、このベッドギャグを用いた短編作品があった覚えがあります。(題名は忘れた)






バスターキートンの映画「My Wife's Relations」 (1922)であれば「隣のいびきがうるさくて眠れない、だから耳当てをしたら、今度は耳当てをした本人のいびきがうるさくて眠れず、片方が起きて、そいつの耳当てを奪い、かと思えばまた耳当てを奪った方のいびきがうるさくて...」っといった具合です。



さてはて、この「ベッドギャグ」の起源は、僕の知る限りでは上記のキートン映画となる訳ですが(年号的に)実際のところどうなんでしょうか?

ギャグ内容としては、リュミール初期の映画、水を撒く(かけられた)農夫のギャグ(オーギュストは、あの映画に今でいう『演出』は存在しないと言い張っていますが)とあまり変わらないような気もするし、メリエスあたりがこれより20年も前に奇抜なギャグや技法を映画に取りこんでいたところをみると、ベッドでのいざこぞなんてギャグは、普遍的かつ当たり障りのない至って平凡なものだったのかもしれませんね。

一体このギャグの起源はなんなんだろうか・・・。
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